不適切な設計、認証、メンテナンスがタイタンの惨事を引き起こした

6 8月 2025
沿岸警備隊の海洋安全技術者が、2023年10月1日、北大西洋でタイタンの後部チタンエンドキャップの調査を実施している。(写真:米国国家運輸安全委員会)
沿岸警備隊の海洋安全技術者が、2023年10月1日、北大西洋でタイタンの後部チタンエンドキャップの調査を実施している。(写真:米国国家運輸安全委員会)

2023年に5人の死者を出したタイタン潜水艇の破滅的な爆破事故は防ぐことができたはずだと、 米沿岸警備隊の調査委員会は火曜日に結論を下し、同船の安全文化と運用慣行に「重大な欠陥」があったと述べた。

タイタン号は観光探検でタイタニック号の残骸へ降下中に消息を絶ち、支援船との連絡が途絶えた。

緊迫した4日間の捜索の後、1912年に沈没し1,500人以上の命を奪った伝説の定期船の船首から1,600フィート(488メートル)の海底に散らばった、粉々になった残骸が発見された。

観光用潜水艇を管理していた米国企業オーシャンゲートは、事故後すべての運航を停止した。

同社広報担当者は火曜日、同社は犠牲者の遺族に対し改めて深い哀悼の意を表し、「沿岸警備隊の調査が完了するまで、全力で協力する」と述べた。

米沿岸警備隊海洋調査委員会のジェイソン・ノイバウアー委員長は、この事故は防ぐことができたと語った。

「既存の規制の枠組みの外で新しいコンセプトを模索している事業者に対しては、より強力な監督と明確な選択肢が必要だ」と、同氏は300ページの報告書発表時の声明で述べた。

潜水艇で亡くなったフランス人海洋学者ポール・アンリ・ナルジョレ氏を父に持つクロエ・ナルジョレ氏は、調査結果に満足していると語った。

「オーシャンゲートの責任者は職務をきちんと遂行していなかったし、父は明らかにそのことを知らなかった」と彼女は言った。「偶然でも不運でもなく、何かが原因だった。避けられたはずの出来事だった」

委員会は、主な原因はオーシャンゲート社の「タイタンに対する不適切な設計、認証、保守、検査プロセス」であると判断した。

また、報告書は「オーシャンゲート社の有害な職場文化」、潜水艇やその他の新型船舶に対する不適切な規制枠組み、効果のない内部告発手続きについても言及した。

報告書はさらに、「事件以前の数年間、オーシャンゲート社は脅迫戦術、科学的調査への補助金、そして同社の好意的な評判を利用して、規制当局の調査を逃れていた」としている。

委員会は、オーシャンゲート社が2022年のタイタニック号遠征後に船体に関する既知の異常を調査し、対処しなかったことを認定した。同委員会は、タイタン号のリアルタイム監視システムのデータは、遠征中に分析され、それに基づいて行動すべきだったと述べた。

また同社は、オーシャンゲート社が2023年のタイタニック号の航海前にタイタンを適切に保管しなかったことを批判した。

報告書は、2018年のオーシャンゲートの内部告発に対する労働安全衛生局の適時な調査の欠如と政府の協力の欠如を非難し、機会を逃したと述べ、「早期介入により、オーシャンゲートは規制順守を追求したり、計画を断念したりしていた可能性がある」と付け加えた。


(ロイター通信 - バンガロールのシュブハム・カリア記者、ワシントンのデイビッド・シェパードソン記者、レイリ・フォルディ記者による報道。ベルナデット・バウム記者、ハワード・ゴラー記者による編集)