著名な深海極地生物学者のアンチェ・ボエティウス氏が、カリフォルニア州モスランディングにある民間の非営利海洋学研究センターMBARIの社長兼CEOに就任する。その研究で国際的に高い評価を得ているボエティウス氏は、2025年5月1日に、退任するクリス・スコーリン氏の後任として就任する。
ボエティウス氏は、ドイツのアルフレッド・ウェゲナー極地海洋研究所の所長を7年間務めた後、MBARIに加わった。同氏の任命はMBARIにとって極めて重要な時期に行われた。同研究所は来年、最先端のロボット技術研究所を開設し、新たな主力研究船であるデイビッド・パッカード号を迎える予定である。
「アンチェ・ボエティウスは深海研究の豊富な経験を持ち、30年にわたる輝かしいキャリアの中で多くのMBARIの科学者と仕事をしてきました。彼女は強力なリーダーであり研究者であるという評判と、グローバルなアプローチを併せ持ち、MBARIにぴったりです。海洋を理解し、海洋保護の解決策を導く画期的な研究の次の章に彼女がMBARIを率いてくれることを嬉しく思います」とMBARI取締役会長のジュリー・パッカードは述べた。
アルフレッド・ウェゲナー研究所在籍中、ボエティウス氏は極地および海洋研究を変革した主要な国際プロジェクトの先頭に立ってきました。深海探査における科学的および技術的課題に関する彼女の深い知識は、世界の海洋生態系に影響を及ぼす急速な変化に適応するための MBARI の取り組みを主導するのに適しています。
「これまで知られていなかった海洋のプロセスを明らかにし、海洋とその資源の責任ある管理を促進するには、技術革新が不可欠です。複雑なマルチスケールのプロセスと社会と海洋の関わりに焦点を当てたMBARIほど、海洋研究を進めるのに適した場所は思い当たりません」とボエティウス氏は述べた。「最先端の海洋科学と工学の中心地であるMBARIは、これまでの研究を基盤として、海洋を理解し保護するための新しい方法やコラボレーションに取り組む私にとって夢のような機会です。」
1992年からMBARIに在籍し、2009年から社長兼CEOを務めてきたスコーリン氏は、この移行を支援し、MBARIの革新的な環境サンプルプロセッサー技術を科学界全体に役立てることを目指す主要プロジェクトに引き続き取り組む。スコーリン氏のリーダーシップの下、MBARIは水生生態系の健全性を監視および強化する技術の開発において大きな進歩を遂げてきた。